接客の実態を調査するには「覆面調査」がおすすめ!メリットや依頼方法を解説

飲食店や日用品店など、一般消費者を顧客としサービスを行なっている会社では、従業員の接客や、店舗の清潔度・商品のクオリティなど、様々な要因が顧客満足度に影響します。
サービス向上のためには、まず自社の実態を把握することが重要ですが、そんなときにおすすめなのが「覆面調査」です。
覆面調査を行うことで第三者からの意見を知ることができ、自社の分析や、自社内だけの対応では見出せなかった問題解決につながります。
覆面調査とは?
「覆面調査」とは、調査員が一般顧客を装ってサービスを受け、接客や商品の品質を観察し、評価する調査のこと。
別名「ミステリーショッパー」「ミステリーショッピング」とも呼ばれています。
覆面調査は、従業員にはその調査の実態を告知することなく行います。
そのため、自社のリアルな実態を把握することが可能となり、接客やサービスの向上が期待できます。
覆面調査を導入する企業増加の背景とは?
近年、覆面調査を導入する企業が増加していますが、その背景として以下の3つが挙げられます。
いままで以上に”体験”が重視されているから
インターネットが普及し、いつでもどこでも手軽に買い物をすることができるようになりました。
簡単にあらゆるモノが手に入る時代だからこそ、消費者はモノよりも体験を重要視するようになっています。
SNSの普及による、口コミの重要性
SNSを利用して、誰でも発信を行うことができる時代になりました。
TikTokやTwitter、InstagramなどといったSNSでは、一般人による口コミが数多く投稿されています。
「口コミや評価を見て、行きたいお店を決める」「気になっていたお店だったけれど、口コミの評価が悪いので行くのをやめた」という人も珍しくありません。
顧客満足度の向上は、いままで以上に重要となっています。
人手不足の解消
人口減少により、労働人口は年々減少傾向にあります。
そんななかで従業員を確保するためには、顧客満足を実感することで得られる働きがいや、「ここで働き続けたい」と思える組織づくりが大切になってきています。
覆面調査を行うメリット
覆面調査を行うメリットとして、以下の3点が挙げられます。
自社のリアルな実態を知ることができる
覆面調査はその調査方法から、自社のリアルな実態を知ることができます。
自社内で接客調査を行っているという会社もあるかと思いますが、自社内での調査では、従業員はその場限りの接客やサービスを行う可能性があり、なかなか普段通りの接客を把握することが難しいというのが現状です。
また、自社内での調査は客観性に欠けることもあります。
覆面調査では、第三者からのリアルな声を聞くことができますので、上記の問題を解決することができます。
自社のリソース以上のエリアでの調査が可能
自店の接客・サービスを自社でチェックするためには、労力や時間を割かなければなりません。
そのため、調査対象の店舗が増えれば増えるほど、調査を自社で行うことは難しくなってしまいます。
覆面調査は完全に外部の人間に調査を依頼することができるため、自社のリソース以上の調査を行うことが可能です。
たとえ店舗数が増えて、調査対象エリアが拡がったとしても、全国に調査員データベースがある覆面調査会社を利用することで、問題なく調査を行うことができます。
自社のマニュアル・文化の浸透度を知ることができる
覆面調査では客観的な立場からの評価を得ることが可能です。
そのため、消費者に対してサービスが狙い通りに提供できていたか否かの確認をすることができます。
現場の実態を知ることで、本社や自社の接客ルールやマニュアルがどれだけ従業員に浸透しているのかを把握し、マニュアルの改善や継続を検討することができます。
第三者目線の意見を知ることで、これまで見えてこなかった課題を発見できるところも覆面調査の魅力ですが、今まで行っていたサービスがどれだけ消費者に届いているのかを把握し、従業員の接客・サービス改善だけではなく、自社の方針やマニュアルの振り返り・改善につなげられるところも、覆面調査を行うメリットです。
覆面調査をすることで得られる効果
覆面調査を行うことで、様々なメリットがあります。
具体的に得られる効果としては、大きく分けて以下の3点が挙げられます。
顧客目線から自社のサービス改善・向上が期待できる
覆面調査を行い、消費者のリアルな声を集めることで、店舗や業種の接客に対し分析を行い、店舗に反映することができます。
顧客目線からの問題点を把握することで、自社サービス・接客の改善につながり、顧客満足度の向上が期待できます。
人事・評価制度につなげる
覆面調査を行うことで、従業員のモチベーション向上につなげることができます。
覆面調査を行うとなると「従業員のモチベーション向上どころか、フラストレーションが溜まってしまうのでは…」と、現場の意見や反発が気になるという経営者の方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
そうならないためにも、覆面調査を行う目的は、あくまで「サービスの向上」が第一であり、決して現場で働く従業員の粗探しや監視など、「マイナスの評価をつけることが目的ではない」ことをしっかりと伝える必要があります。
調査員の声から課題や改善点を探すばかりではなく、プラスな声も拾いあげて、人事や評価制度につなげると良いでしょう。
自社の強み・弱みを知る
覆面調査を自社だけではなく、他社競合にも行うことで、自社の強みや弱みを知ることができます。
競合調査を行って、自社と他社の調査結果を比較・分析し、自社が他社に優っている部分・劣っている部分はどういったところなのかを把握することで、次の打ち手を考えるヒントにつながります。
また、他社との差別化を図ることができます。
覆面調査を依頼するには?
ここからは、覆面調査を調査会社に依頼する際の発注〜納品までの流れをご紹介します。
ここでは、覆面調査の大手企業である「ショッパーズアイ」の調査の流れを例として記載します。
「覆面調査を依頼したいけれど、どういう手順を踏めば良いのか分からない」という方はぜひ参考にしてみてください。
※引用元:https://www.shoppers-eye.co.jp/mystery-shopper/flow/
①調査・設問設計
覆面調査会社に依頼する際は、まず、担当者と打ち合わせを行います。
覆面調査における視点やボリュームを確認するため、提供しているサービスについて、現場における課題や問題点についてなどを話し合います。
また、調査員の条件や、スケジュール・調査対象店舗情報などの詳細についても打ち合わせしておきます。
上記の打ち合わせをもとに、入店前から退店後までの、店舗と消費者の接点をベースとした調査票を覆面調査会社が設計します。
覆面調査会社で作成する案をもとに、自社専用のオリジナルの調査票を完成させます。
②調査員募集
①で打ち合わせをした内容をもとに、調査員を募集します。
ここで紹介している「ショッパーズアイ」では、調査員募集の情報を自社データベースに掲載し、調査員募集を行います。
性別・年齢・住んでいる都道府県などの、調査員条件に該当する人にコンタクトを取ったりと、調査に協力してくれる人を能動的に募っています。
③調査員抽出
覆面調査会社が、データベースから年齢、性別、調査対象となる店舗への来店頻度(サービスの利用頻度)などの様々な条件で調査員を選定。
実際の顧客として多い層の意見を聞くことができるよう、対象を抽出します。
④調査前テスト
「ショッパーズアイ」の調査方法では、選定された調査員に対して、調査の理解度をはかるため、調査前テストを行っています。
調査員はこのテストで満点を取らなければ調査に進むことができず、また、間違えた箇所を教えない仕組みになっているとのこと。
調査内容に対して理解度が深い調査員に覆面調査を実施してもらえるような仕組みづくりを行っています。
⑤店舗対応調査&調査レポート入力
ここでようやく、店舗調査の実施です。
抽出された調査員が、対象の店舗に顧客として来店し、スタッフの接客・清掃状況などの店舗環境などをチェックします。
「ショッパーズアイ」では、覆面調査の内容を24時間以内にレポートを行うことになっています。
また、店舗への訪問を証明するため、調査員に画像の報告を義務付けています。
⑥調査レポート納品
「ショッパーズアイ」では、調査員のレポートを納品前に複数名でチェックします。
調査における矛盾点や疑問点・改善点が分かりにくいコメントは、調査員に確認して再入力してもらい、依頼主にとって分かりやすい覆面調査レポートを作成しています。
納品された調査レポートを元に自社で分析を行い、接客やサービス・店舗の改善につなげます。
まとめ
自社だけでの対応では、接客・サービスに関する問題点の把握や、その解決策などはなかなか見出せません。
そんな時に効果的なのが、覆面調査です。
覆面調査を依頼することにより、効率的・効果的に問題点を把握することができます。
第三者目線での意見を知ることで、思いもよらなかった課題の発見につながり、今後の取り組みや、動き方のヒントになります。
また、覆面調査の方法は、業種によって様々です。
調査を依頼する際は、調査内容や、自社の現状・課題などについて、覆面調査会社としっかりと打ち合わせを行い、自社にあった調査内容を設定することをおすすめします。
覆面調査会社をうまく活用し、自社の分析や、問題解決に活かしましょう。