始める前に知っておくべき覆面調査バイトと税金の関係

日本で暮らすためには行わなければいけない義務というものがあり、その一つが定められた額を納める納税の義務です。仕事をして収入を得た場合には、その金額によって決められた額を納めなければならずそれを怠ると脱税として罪に問われることになってしまいます。では覆面調査のバイトをして報酬を得た場合の税金はどうなっているのでしょうか?そもそも支払う必要があるものなのかということから見ていきます。実際に報酬を得てから困ってしまうことがないように、調査員のバイトを始める前に知識として知っておくようにしましょう。

覆面調査による収入

まず収入を得た際にはその収入を全て税務署に申告しなければいけません。申告をした額や内容によってはその年度の終わりに、指定された税金を支払う必要があります。これを確定申告と言います。毎年2月から3月ごろになると様々な場面で耳にすることになりますので言葉だけは知っているという方も多いのではないでしょうか?

会社員として勤務している場合にはその作業は会社の担当者が年末調整という形で行ってくれますので、自分で行う必要はありません。しかし覆面調査に関しては調査会社がやってくれるということはありませんので、全て自分できちんと管理をして申告し必要であれば税金を納めていかなければいけません。万が一申告をせずに納税をしなかった場合には、ペナルティが課されて高い税金を支払う必要が出てきてしまいますので注意が必要です。

申告をする際にはその収入がどのようなものであるのかということを、勘定項目ごとに分類しておく必要があります。覆面調査によって得た報酬は、その勘定項目の中の雑収入というものに分類されます。雑収入とは、得た収入のうち比較的少額かつ重要性の低い収入を仕訳けるための勘定科目のことを言い、簡単にいえば本業以外で稼いだ額の少ない収入のことを言います。

しかしその雑収入が全て所得税の課税対象になるのかというとそうではなく、収入の総額からからかかった経費を引いた金額である雑所得が課税対象となります。調査を行うためにはまずインターネットで応募をしてアンケートに答える必要がありますので、その際に当然ですがスマートフォンやパソコンが必要になりますし通信費や電気代も必要になります。その際に調査のために新たに端末購入やプロバイダ契約をした場合にはその費用の一部を経費として申告出来ることがあります。また調査に行く際に交通費がかかりそれが実費となっている場合には、それも経費となります。

このような経費を調査会社から得た報酬額から引いた残りを、雑所得として申告することになります。

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収入に税金はかかるの?

では覆面調査を行って収入を得た場合、必ず税金を支払う必要があるのでしょうか?基本的には調査を行って報酬を得た場合にその額が調査にかかった経費よりも多くなった場合には所得税の課税対象となります。しかし実際には確定申告はする必要がある場合と必要がない場合とがあります。

必要の有無を分ける基準は収入の総額によって変わってきます。そしてその基準額は基本的には会社から給与を受けとっている給与所得者であるか、そうではないかによって変わってきます。給与所得者というのは正社員や契約社員として働く会社員だけではなく、パートやアルバイトとして働いている人も含みます。

給与所得者の場合には、副業での所得となる雑所得の総額が20万円を超えた場合には確定申告の対象となります。 雑所得が20万を超えた場合は、会社が年末調整を行ってくれていたとしても、それとは別に個人で確定申告を行わなければなりません。 雑所得の総額が20万円に届かない場合には、給与所得者には確定申告を行う必要はありませんし、課税をされることもありません。

その一方で給与所得者でない場合にはその年の1月から12月の間に得た収入の総額が38万円を超えた場合には、確定申告をして税金を納める必要が出てきます。給与所得者の場合にも同じですが、注意しなければいけないのは覆面調査の収入のみで38万円というわけではないということです。それ以外にも雑所得に分類されるものがあれば、それらをすべて合計した金額が38万円に達したら確定申告をする必要が出てきます。

報酬の形態によっても変わる

覆面調査によって収入を得た場合に税金を支払う必要があるのかどうかというのは、上でもご紹介したように年間で得た収入の総額によって変わります。そしてその金額は給与を会社から受け取っている給与取得者であるかそうでないかによって違った額が決められています。

しかしその他にも課税対象となるかどうかが分かれるポイントがあります。それが支払われる報酬がどのような形態であるかということです。調査を行って支払われる報酬の形態というのは、その案件や調査会社によって違っています。現金で口座に振り込まれる場合もありますし、図書カードや商品券、ギフトカードなどで支払われる場合もあります。またポイントとして支払われる場合もありますし、最近では電子マネーとして支払われることもあります。

所得税の課税対象となるかどうかというのは、はっきりとした規定があるわけではありません。しかし現金と同じように換金性の高いものの場合には基本的には課税対象とされています。つまりギフトカードや商品券などは全て対象となります。電子マネーは面に見えるお金ではないので一見対象とならないのではと思われがちですが、現金と同じように使用することが出来ますので対象となります。ポイントで支払われる場合には現金や電子マネー、ギフトカードなどに換金した時点で課税対象となりポイントとして所有している場合には現状では課税対象とはなりません。

そのため年度の終わり頃になってもし年間の報酬総額が20万円や38万円ぎりぎりの場合には、あえて換金せずにポイントとして所有したままにしておくというのも一つの手です。換金をするのを次年度に入ってからにすると、その金額は次の年の総額に含められることになりますので前の年は課税対象から外れるということになります。しかしポイントというのは期限がある場合がほとんどですので、せっかく貯めたポイントが期限切れになって無効になってしまうことがないように注意しておく必要があります。

まとめ

覆面調査によって報酬を得た場合にその収入に対して税金を支払う必要があるかどうかという点については、基本的には収入が経費を上回った場合には所得税の課税対象となります。

しかし実際に課税対象となり、お金を支払わなければならないかどうかというのは様々な条件によって変わってきます。その一つの基準となるのが年間で得た雑収入から経費を差し引いた金額の総額です。その金額は給与所得者であるかそうでないかによって違った金額が設定されていますので、自分はどちらに属しているのかきちんとチェックしておきましょう。

また、支払われる報酬の形態によっても対象になるかどうかが変わってきます。現金はもちろん対象ですが、ギフトカードや電子マネーは全て対象となります。しかしポイントは現状では換金せずにポイントのまま所有している間は課税対象とはなりません。換金のタイミングを上手く調整することで課税対象とならないこともあります。

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