覆面調査の結果を元に行われる研修とは?
現在行っている研修は、満足できる内容になっていますか?研修と言えば、似たような内容で時間ばかりがかかっている、なんてこともしばしば。そんな研修を有意義な時間にするための覆面調査をご提案します。研修から期待できるのは、社員のモチベーションアップ、現場の改善です。覆面調査は結果から現場の問題点を的確に洗い出します。細かい項目を設定し、結果を元に研修を行います。繰り返し行うことによって現場にとってどんなメリットが生まれるのでしょうか。再覆面調査をする意味は?一般のアンケートとの違いや良さを書き出してみました。
覆面調査は行って終わりではありません
覆面調査の人員を募集しているサイトを見ると、細かい規定があります。仕事内容の口コミをあちこちで見かけますが、守秘義務があるので決して中身が見えるものではありません。お店へ行った後には、大事な報告作業があります。
何のために調査員を派遣してまで調査を行うのでしょう?覆面調査で入る調査員は商品やサービスを購入して、お店の雰囲気を調査して帰るのですが、その後に報告書として提出する内容が企業にとってどんな意味があるのか見ていきたいと思います。
主にお店や商品の問題点や改善点の洗い出し、研修資料として利用されます。年代、性別、時間などを指定することで、項目の中身次第で改善点が見つかるだけでなく、競合に対するリサーチなどが可能になります。
例えば飲食店での店舗調査の報告書には、店員さんの名前や接客の様子などを記入することがあります。業種や目的によって質問項目は変わりますが、挨拶に始まり、商品の勧め方や売れ筋は何か陳列の状態、注文の確認の仕方まで気付いた点を記載していきます。テーブルのセッティング、衛生面に至るまでチェック項目は細かくなります。お店へ行った日付け(平日か土日祝日か)や時間帯、利用人数、商品が届くまでの待ち時間なども記録として残すことがあります。
普通の食事なら「おいしかった」で終わるところですが、何がどのように良かったのかを書き出すことになります。良い点ばかりでなく、お店に足りないと感じる部分も書きます。覆面調査のメリットは、現場で目に見えない部分を可視化できる点、相手に直接言いにくい内容を指摘できる点などがあります。調査員の文章力も問われ、調査会社の力量がわかる部分でもあります。それがお店の今後の研修内容や改善につながっていくのです。
▼関連記事
覆面調査の結果から問題点を洗い出す
みなさんの周囲で「第三者の意見を素直に聞けない人」に心当たりはありませんか?言われるがまま何もかもを受け入れよというわけではありませんが、意見を聞く気がない人の行く末がどうなっていくのか?知る限り、それ以上の伸びしろはありません。身内に言われるより、他人に指摘されるほうが受け入れ入れやすい内容もあります。また覆面調査で客観的に見ることにより、お店にとっての強みや弱みが見えてきます。年代別でも接客、商品、サービス内容に対する価値観は違います。お店ごとの問題点を絞り込むことも可能になり、解決策を導き出して研修の内容に反映させることができます。
覆面調査では業種によって尋ねる項目が変わります。お店や商品、サービスに関する基本的な項目とは別に、業種ならではのオリジナルの項目を加えます。質問内容には選択式が多いのですが、どうしてもお店の立場からの視点寄りになりがちです。細かく分析をするにはコメント式の答えが欠かせません。オリジナルの項目やコメント欄を設けることで課題や改善点が洗い出しやすくなります。
店舗調査の結果は、お店のある地域のリサーチにも役立ちます。どんな客層が多いか、売れ筋商品やリピート率、利用の時間帯など地域性を把握するのに便利です。研修で取り上げる課題の優先順位を結果から分析し提示することができます。
▼関連記事
結果を元に研修を行う
調査結果と一般のアンケートを合わせた資料を元に、研修を行っていきます。ほとんどの覆面調査の会社では結果を分析し、問題点や改善点を的確にまとめてくれます。膨大な量の報告書から的確に問題点を洗い出すのはプロの仕事で、実績がないと難しいところです。問題点が多すぎるのも困りますが、どこにポイントを置けば良いのか、効率よく見通しが立てられます。
お店の改善点が見つかることで、指示と実行ができます。覆面調査では、商品やサービスの写真を提供することがあります。状況を把握する手段としては確かな証拠になりますから理由付けのない指摘より格段に効果が上がります。見えない部分を可視化することにより、お店の現状や店員のスキルレベルなどを知ることができます。何が不足しているのか明確になったところで研修を行えば、無駄な時間をかけることなく課題をクリアするための解決策が立てられます。
何をどうしたいのかをはっきりさせるための手段として、覆面調査は有効です。
研修後の再覆面調査で成果確認
問題点が明確になり、社員やお店単位で研修を行った後に再覆面調査で成果を確認します。誰でも調査をするとなれば、構えてしまう人が多いのではないでしょうか。お店全体が調査員を迎え入れる態勢になってしまえば、いつも通りの接客やサービスにはならないでしょう。ほかのお客さんに意識されず、お店の雰囲気を壊さずに抜き打ちで調査できるのが覆面調査の良さでもあります。
内容にもよりますが、問題点を指摘し、その後研修を行いすぐに成果として現れる場合と、ある程度時間が経過して成果が得られる場合があります。定期的に行われる社内研修で社員が問題点を自覚する時間を見ることも大事です。解決策が導き出され社員に浸透した頃合いを見て、再覆面調査を実行します。
調査員を募集しているサイトにたくさんのお仕事があるということは、それだけの企業が品質維持、向上のために第三者の意見を求めていることになります。企業のサービス向上に積極的に取り組む姿勢が一般のお客さんへのアピールにもなるはずです。
繰り返すことで成果が向上する
お店全体の接客力やサービス力の向上を目指すには、課題を1つ1つクリアにする必要があります。業種によって方法は幾通りもあり基本があっても「これが絶対」とは言えないものです。定期的な覆面調査で現状確認をしながら研修で見直しを繰り返していくこと、経験を積み社員のスキルアップをすることがカギになります。
身内同士の指摘で見えていなかった部分をはっきりさせるのが、覆面調査です。売上低迷の原因、接客サービスの改善、入会率の向上、顧客満足度のアップや口コミの増加、競合対策の強化、宣伝や広告がお客さんにちゃんと伝わっているかどうかを通常の営業の中、知りたいタイミングで成果を確かめることができます。
覆面調査後の流れとして、現場の問題点を明確にし、お店の強み弱みを社内研修で伝え解決へつながる基準(土台)を作ります。研修で作った課題クリアのための行動計画書に沿って実践していきます。このサイクルが定着することにより、目標達成へのモチベーションが上がることにもなり問題解決への近道が期待できます。
まとめ
なぜ一般のアンケートではなく、覆面調査のデータが有効なのでしょう。覆面調査は店員が調査だと悟らない中で行われるものです。基本調査の内容に加え、業種ならではのオリジナル項目を設定します。洗い出した問題点を元に、今後のお店の研修に反映させます。調査結果から現場の問題点を明確にし、今後の課題を社内研修で共有します。解決策となる基準を作ったら、課題クリアのための行動計画書に沿って現場で実践していきます。定期的に再覆面調査を行い、繰り返し現場の見直しやチェックをすることにより、サービスの向上や基準の底上げが期待できるのです。