グループインタビューとは?成功させるポイントや行う方法を紹介

市場調査を行う上で、大切なのは商品を手にする顧客の声。
そのために、様々な方法で市場調査は行われています。
グループインタビューとは、そのような市場調査の中でも、特定の顧客をグループ単位としてインタビューする方法です。

例えば一定の年齢層の女性、それも一定の地域に居住する方々を選定し、商品の印象について多角的な角度から感想を集めます。
これによって、実際に手にする顧客の声を集約することができます。

生の声を聞けるメリットの高いグループインタビューは、今、様々な企業に注目されています。

グループインタビューについて

グループインタビューとは、言葉のとおりに特定の人々を集めて、そのグループに質問することで行う市場調査方法です。
フォーカスグループインタビュー、GIなどとも呼ばれます。

特定の人々というのは、1つの共通の属性をもつ人々、例えば関東在住の40代女性や、IT関連企業に勤める30代の男性、または東北地方在住のチョコレートをこよなく愛する20代などといったように、同じカテゴリーを持つ人々のことを指します。

こうした共通の属性を持つ人々を、例えば6人だったり3人だったりと、ある程度人数を定めて集め、集まった対象者にインタビュアーが題材を提示し、それに関して話し合いをしてもらいます。

同じカテゴリーの人々でも、例えば市場調査の対象となるものを全く知らなかったり愛用していたり名前だけは知っていたり等、その感想は違うもの。

こうした生きた声を集約することにその目的があります。

グループインタビューとは、こうした話し合いによって挙がった声を集約し、商品の更なる販売促進へ生かし、商品の改良に活用できるマーケティング調査方法です。

グループインタビューで改善できること

顧客の満足度

グループインタビューとは、特定のグループの相互交流によって、対象となる商品やサービスの生の声を得られる市場調査であるため、今現在、その対象となるものを利用した顧客が何を感じるかを知ることができます。

つまり、顧客の満足度を知ることができるということ。
これまで使用したことがあるという方だけでなく、今初めて利用するという方、グループインタビューの中でその存在を知ったという方までも、実際に利用してみてどのように感じたのか、率直な声を集めることができます

また、利用に関してだけではなく、利用にまつわる様々な諸事情もグループインタビューの中で寄せられることもあるでしょう。

例えば、今の自分には使いやすいが、かつて小さい子供を抱えていた頃なら、これでは少し使いづらかっただろうなど。
経験から想像できる利用満足度まで得られます

これによって、以後の顧客の満足度を改善することも可能です。

試作品の修正点

現在、販売、もしくは提供しているサービスだけではありません。
これから、世に送り出そうと会社で検討を重ねている試作品も、このグループインタビューによって改善可能な案件となります。

例えば、実際に使われるとどうなのか、また提供されると顧客はどのような印象を感じるのかといったポイントはもちろん、試作品自体の存在意義にまで迫ることもできます。

企業としては、新たな商品を生み出すには、期間も労力も、資金もかかるもの。
高い投資をして得られる効果がどのようなものか、その情報を得ることで、より確実に効果が高いものを開発することも可能となります。

人材教育

グループインタビューとは、忌憚ない意見を得られる環境でもあります。
それは商品だけに留まらず、その企業の社員、販売員などの印象にまで及ぶこともあります。

例えば、某店舗の店長は愛想無いが、従業員は丁寧、また頼りになる女性パートさんがいるなど、こうした利用経験にまつわる声だけではありません。
商品の良さを店員がもっとアピールすべきとか、男性店員がいると説得力がある等といったものもあるでしょう。

こうしたグループインタビューによって得られた内容は、その後の人材育成、現存のスタッフへの教育にも活用することができます。

グループインタビューのメリット

複数の声を比較的短期間で集められる

グループインタビューとは、グループに生の声を聞くことができるマーケティング調査です。
そもそもマーケティング調査を行う際に、とくにネックになりがちなのが、生の声を聞くのに時間がかかるというところです。

この点、グループインタビューでは、特定の属性の人を複数人集めて、そこで声を聞くことができる手法となるため、単体でのインタビューとは違い、短期間で複数の声を集めることができます

短期間で複数の声を集められるため、期間をかけずに多くの声を集約できます。
多くの声は多角的に商品やサービスを見る目でもあります。

短期的に取得できるからこそ、以後の修正やサービスの改善へとつなげることもできるといったメリットになるのです。

相互交流によって改善策を得られる

グループインタビューでは、複数人に対象となる商品やサービスについて話し合いをしてもらいます。
インタビュアーは、一定の情報を提供しますが、あとは忌憚ない意見を出してもらうといった方法が一般的です。

つまり、意見を出す側の自由な話し合いがなされるということです。
自由に話し合いが行われると、相互交流といったメリットも生み出されます。

例えばAさんが商品についてもっと改善を求めたとしましょう。
素材はいいけれど、色のバリエーションが乏しいと言います。

これを聞いていたBさんが、色のバリエーションを広げるなら、色に合わせて素材も変えた方が高級感は出るのではと意見を発する。

このように、他者の意見によってその他の参加者の意見も生み出される可能性があります。
単独で行われるインタビューでは得られない相互交流の声が聞けるのもグループインタビューのメリットです。

比較的低コストで情報集約できる

マーケティング調査を行う上では、どうしても調査にかかる費用は発生するもの。
とくに単独のマーケティング調査の場合には、それぞれへの謝礼からマーケティングを行う場合の経費など、期間がかかる分、費用もかかってしまいます。

グループインタビューとなると、この点、単独のマーケティング調査よりも比較的低コストで行うことができます。

グループインタビューの後、改善策を講じようと検討しているのならば、確実にマーケティング調査は低コストで済ませたいもの。

ましてやより濃密な情報も集約したいと思うことでしょう。
そんな思惑に合致するのがグループインタビューのメリットでもあるのです。

グループインタビューのデメリット

特定の事項を掘り下げられない

生の声を集約できるメリットがあるものの、一方でデメリットもあります。

グループインタビューとなると、集団で話し合いをしてもらうマーケティング調査となるため、参加する人々は互いの意見を確認しながら意見を出すといった方法で進行します。

他人に聞かれているとなかなか本音は言いづらい、そんな方も中にはいることでしょう。

また、参加者の大半が良い意見しか言っていないという中で、人の心理としてはなかなか反対意見を出しづらいもの。
本音を出せずに、何となく表面的な意見しか出せない。
そんな可能性もあります。

加えて、どんな風に良いのか、もっと具体的に話し合ってほしいけれど、話し合いは違う方向にいってしまうという可能性もあるのです。

統計的な面での信頼性と合致しない可能性も

グループインタビューでは、その場に集まった参加者の話し合いで声が集約されます。
つまり、そこにいる人の意見です。人の意見は千差万別であるうえ、集められた場所によって少し変化することもあります。

すると、統計的に集約した意見とは違うという事態に至る可能性があります。
なかには、ざっくりと質問されると同調するが、しっかり聞かれると否定的なことも言えるなんて場合も。

このように変化してしまうと信用性が下がってしまうため、一般的な統計として活用しづらいというデメリットが生じてしまう場合があります。

予測不可能な事態も起こりうる

一定の属性を基準に集めるとしても、ここにもデメリットが生じます。
集合に際して場所や時間を設定しても、個々それぞれの事情から時間や場所を間違たり、キャンセルが生じてしまうといったことも起こりうることがあります。

そのほか、予定通りに集まったけれど、話し合いが企画した内容と全く違う方向に逸れてしまい、インタビュアーが何度も修正しても、思惑通りにいかず、すぐに逸れてしまって、予定していた情報収集が乏しくなってしまうという事態も起こりうるのです。

同じ属性であっても、生の声を集めるとなれば、こうした予測不可能な事態は多々生じることは想定しておくべきでしょう。

グループインタビューを成功させるポイント

グループインタビューと併せて重要なのが、グループインタビューを行うための調査です。

むしろ、このグループインタビューを行うための事前の調査がその後のグループインタビューを成功させるためのポイントともなることは欠かせない重要事項です。

グループインタビューを行う前に、どういった人にインタビューに参加してもらうか、その選定を行う必要があります。
誰でも良いと無作為に抽出することで得られる情報もありますが、こうした無作為に集められたグループは比較的、具体的な話し合いにならず、話が逸れ、重要な情報が得られない可能性があるのです。

グループインタビューでの人を選定することを、スクリーニング調査、プレ調査等と呼びます。

こうしたスクリーニング調査では、事前にいくつかの質問を提示し、商品に関してどのような情報を持っているかを確認します。

また多くの企業などでは、このスクリーニング調査から謝礼を発生させ、スクリーニング調査とグループインタビューを行った場合の謝礼と分けて設定しています。

そのためスクリーニング調査はグループインタビューの前段として、かなり細かく設問を準備している場合が多いのです。

ただし謝礼と設問の量に関しても、ガイドラインが設定されている等、その諸準備には様々な配慮が必要とされており、安易にスクリーニング調査を行うのは避けるべきです。

グループインタビューを行う方法

グループインタビューを行う方法について、ご紹介します。

まずは、グループインタビューを行うための課題、目的となるものを明確にしましょう。
抽象的に例えば、わが社のイメージを知りたいといった漠然とした課題となると、グループインタビューを行っても欲しい情報はあまり得られません。

むしろ、わが社のイチオシの商品、若しくは定番商品の活用法を知りたいという具体的な目的の方がマーケティング調査としては最適です。

次に、スクリーニング調査、もしくはプレ調査のためのアンケートの作成です。
これも、設問の量と謝礼の金額があまりにも違わないよう、またつぎのグループインタビューに結びつけさせやすい設問に配慮して作成することが必須です。

例えば対象となる商品を使ったことがあるか等といった問題に留まらず、1日何回、どんなタイミングで使っているのか、その多くは家族の誰が使っているのかといった使用状況がわかる設問の方が良いでしょう。

使用感に関しても、例えば良いのか悪いのかといった単純な回答だけでなく、香りがどうなのか、肌触りや食感は等、具体的な声を理解できる程度には確認すべきです。

スクリーニング調査の内容を踏まえ、どういった属性のグループに集合してもらうか、これは設問内容からも考慮する必要があるでしょう。

ある程度抽出ができたら、次はグループインタビューに向けての具体的な環境準備です。
いつ、どこに何時に、何人を集めるか、参加者の都合も確認しなければなりません。

実際に集まってもらった後も配慮が必要です。
何に関してグループインタビューを行うのか、謝礼の提供方法はどのように行うか等、参加者に説明する必要もあります。

また積極的な話し合いの場を提供するため、話し合いの場所にも配慮すべきです。
人は慣れない環境ですぐに自分の意見を求められても、すぐに提供できないもの。
これらを踏まえての諸準備は必須です。

こうした様々な事象を踏まえると、グループインタビューを行う側もそれに慣れていなければ、良い意見を集約しづらいことはお分かりのことでしょう。
グループインタビューはそれに手慣れた調査会社に依頼するほうが賢明な策といえます。

グループインタビューを依頼する際の費用相場

実際にグループインタビューを調査会社に依頼した場合、そのかかる費用相場についてご紹介します。

費用に関しては、調査会社によって個別にコース設定がある場合や基本料金での違いも生じることはご承知おき下さい。

まずグループインタビューの前に行われるスクリーニング調査やプレ調査について、こちらは設問の数によって料金に違いが生じます。
一般的には10問程度で、おおむね50,000円から60,000円程度が相場となります。

問題は数が増えれば料金も高くなります。
30問程度となると10万円程になるのが相場です。

またその後のグループインタビューについてですが、こちらは募集する人数とそのインタビュー内容によって金額に違いが生じます。
比較的一般的に集められる5名から6名程度のグループインタビューの場合には、10,000円が相場ですが、これもインタビューの内容によって、金額は3,000円程度の差が生じるのが相場です。

これに加えて、会場設定やモデラーの手配、インタビュー内容のフロー作成に関しても別途費用が発生します。

例えば2時間程度、5名の参加者に対してそれほど難しくない食生活に関するグループインタビューを実施したケースであれば、対象者設定からインタビュー内容のフロー作成までを含めて約11万円程度というのが費用相場です。

グループインタビューを依頼できる会社

ショッパーズアイ

マーケティング調査に高い能力を持ち、多くの企業に利用されているショッパーズアイは、グループインタビューにもその長年の技術を活用し、高いリピート率を誇っています。

ショッパーズアイでは、年齢層や性別の違いなどだけでなく、利用状況などをその調査能力の高さからリストアップして抽出します。
実際の消費者から、より高度の高い参加者を集めることで、より内容の濃い情報を得られるうえに、自由で話しやすい環境を整え、司会者に適宜質問をしてもらうことで、目的に最も近い角度の声を集めることができます

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LINEリサーチ

多くのユーザーを持つLINEを生かしたマーケティング調査を行うことができるLINEリサーチ。
とくに若年層のユーザーを多く持ち、その声を集約することに最適な調査会社です。

LINEリサーチでは、今の流行りをいち早くリサーチし、その声を収集することに長けており、その技術がグループインタビューにも生かされています。
他の調査会社に属さず、初心の声を聞きたいというクライアントに最適な調査会社です。

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マイボイスコム

モニター数の多さ、専任スタッフによる安心感からリピート率の高さを誇るマイボイスコム。
その専属モニターは100万人以上であり、その中からインタビューに最適なモニターを抽出しています。

またグループインタビューに不慣れなクライアントにも安心して依頼してもらえるようリサーチャーも専属で、一元化されているのも安心です。

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まとめ

グループインタビューの結果を満足いくものとするためには、その事前のスクリーニング調査など行うべきことも多々あり、そこには配慮も必要です。
グループインタビューに手慣れているのならまだしも、そうでない場合には上手くインタビューできるか否か以前に失敗する可能性もあるのです。

調査会社では、こうした配慮に加えて謝礼など、その細部まで配慮を欠かさず、加えてインタビュー内容の調査も可能です。
真に実効あるグループインタビューにするには、利用しない手はないといえるでしょう。

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