外食費の節約にミステリーショッパー!飲食店の調査項目とは?

主婦のおこづかい稼ぎやサラリーマンの副業にも人気のミステリーショッパーは、飲食店やスーパーなど生活に密着した調査も多く、事前に用意するものもないため気軽に始められます。

中でも飲食店での調査は、少ないおこづかいでやりくりするサラリーマンや、家族で外食をする際の飲食代の節約にもなるため人気の高い案件です。

一方で調査員は、予め与えられた調査項目をすべてチェックし、調査後には報告書を提出しなければなりません。具体的にはどんな調査を行うのでしょうか。

中立の立場からの改善点や現状を知ることができる

飲食店でのミステリーショッパー調査は、一般客に紛れて調査員がお店を訪れて、接客レベルや清掃状況、食事の提供状況を調査します。様々な業種や会社がミステリーショッパーの調査が行われますが、中でも全国にチェーン展開しているファミリーレストランやフランチャイズ展開するファストフード店、居酒屋などの飲食店は、多くがミステリーショッパーによる調査を導入しています。

飲食店を運営する会社やフランチャインズ本部などが依頼しているのが一般的ですが、これは全国にあるお店のレベルを均一にし、不足しているスキルや改善点を把握することが目的です。チェーン店の場合いつ、どこのお店に行っても同じサービスを受けられるということを、消費者は期待しています。

チェーン展開する飲食店では、一部のお店で食事の味が落ちたり、お店の運営状況や接客スキルが著しく低下したりすれば利用客が離れてしまうという危機意識を持っています。そのため内部の人間では気づけない点や現状を、中立かつ正直な目線で評価してくれるミステリーショッパーは貴重な情報源です。

当然改善点や不足する部分があれば底上げを図るための策を練り、満足してもらえたサービスや良かった点は、強みとしてさらに伸ばすことで、より利用客に選ばれる店作りを目指します。

チェーンやフランチャイズ展開するお店だけでなく、小規模なお店でも、例えば味には自信があるのになぜか売上が伸びないといった悩みから、ミステリーショッパーを導入するケースもあります。

そこで働く人やサービスを提供する側には分からない、意外な点が売上や来店客の伸び悩みにつながっている場合もあります。またお店が軌道に乗ってきたものの、客足や人気に頭打ちを感じている飲食店にとっても、次のステップにつながる貴重な意見を聞けるチャンスになっています。

品質向上のために多岐に渡る項目がある

基本的にミステリーショッパーの仕事には多くの調査項目が与えられ、調査後に提出する報告書には選択式だけでなく、自由記述式の報告もありしっかりとした内容に仕上げることが求められます。

単なる利用客としての感想や、いわゆる口コミ評価の類ではなく、消費者や利用客目線での「改善点」や「良かった点」を知ることで、経営判断や店舗運営の指標にすることもあります。

また競合店舗への流出を最小限にする目的や、サービス、品質の向上のために、調査員には細かな点に至るまで多岐に渡る調査項目が与えられます。

第一印象を左右する入店前から評価が始まる

飲食店が利用客やリピーターを獲得するには、いかに人を引き寄せるお店作りができているかが、重要なカギとなります。第一印象でそのお店の印象や評価はあらかた決まるとも言われ、悪印象を持たれてしまうとその後に挽回できる可能性は低くなり、結果的に印象に残らずリピート客の獲得も難しくなります。

そのため調査員が行うチェックも入店前からすでに始まっていて、入店前から入店時だけでも相当なボリュームです。そもそも選んでもらえなくては始まらず、外観や雰囲気でふらっと立ち寄った飲食店が当たり、リピーターになる人も少なくありません。目的のお店に行こうと決めている人はともかく、何をどこで食べるか決まっていない人に立ち寄ってもらうための店構えかどうかは、重大なポイントです。

調査項目の一例としては、入りたいと思える外観デザインや雰囲気があるかどうかが問われます。駐車場やお店周りの清掃が行き届いているかどうか、ゴミが散乱していたり、不衛生な状態になったりしていないか、またのぼりや看板など見やすく設置されているかなどがあります。

続いて入店してからの店員のオペレーションも重要なチェックポイントです。「いらっしゃいませ」のあいさつは基本ですが、笑顔での声かけがあったか、また声のボリュームやトーンに至るまで細部までチェック項目が設けられています。

さらに席に案内されるまでの対応時間は、特に初めての利用客には重要な問題です。たとえ店内が混雑していて待つことが明らかな場合でも、店員から適切な理由の説明と待ってもらう旨の了解を得る案内、だいたいの待ち時間の案内があるか無いかでは、利用客の心証は大きく変わります。

なぜ待たされているのか、いつまで待つのかわからないままでは、ほとんどの人はしびれを切らして退店し他の店を選ぶでしょう。

オーダーや食事中の具体的な評価項目は?

いざ席に通されて、メニューを開きオーダーする頃になると、より一層しっかりと店員の接客態度や様子を調査する必要が出てきます。食事のオーダーから食事中の評価項目は、細かなものまで多岐に渡る上、店員に質問するなどの指示項目もあります。

まずはオーダーの際、笑顔で目を見て注文を聞いてくれたかという基本的な接客態度から、特定のメニューについて質問した際に、きちんと理解できるような説明ができたか、また敢えて注文するものを迷ってみせた場合に、おすすめメニューを自然な流れで紹介してもらえたかなど、具体的に店員に質問する調査項目もあります。

飲食店などのサービス業では、食事客は自分から頼む前に、店員が家族構成や会話などから察して先回りしてサービスをすることで、期待値を上回る感じの良い接客をしてもらえたと感じ、高評価につながるものです。

ミステリーショッパー調査でも同じように、食事の配膳時には熱い料理を温かい内に食べるよう、また鉄板などに気を付けるよう促す声掛けがあったか、配膳された際に「ごゆっくりどうぞ」という言葉が掛けられたかなど、細かな点まで調査が行われます。さらに声の大きさや抑揚など、聞き取りやすく感じの良い声掛けだったかなども評価対象です。

他にもデザートや飲み物を提供するタイミングの確認があったか、お皿やグラスなどの置き方が乱暴でなかったか、取り皿やおしぼりが適宜提供されたか、子ども連れでの来店の場合、子ども用のイスや取り皿の提供、また熱い料理や倒れやすいグラスを置く位置など、適切な配慮があったかなど、それぞれのサービスのタイミングに応じて多岐に渡る調査項目でチェックされます。

また特定の店員だけでなく勤務中のすべての店員が調査対象で、すべての店員が適宜店内に目を配りつつ、自然体で店内を巡回していたか、またその頻度は適切だったかなどもチェックします。

衛生管理や内装も評価対象になる

飲食店は衛生管理が特に重要視されます。店内やトイレの清掃が行き届いているかはもちろん、店員の身だしなみやヘアスタイルなどの清潔度合いや爪の手入れなど、利用客が不快に感じることの無いような清潔な店内環境が整っているかをチェックします。

また食事に相応しい内装であるか、店のテイストに合う雰囲気やインテリアなどが使われているかなど、快適に食事を楽しむ場として適切かどうかという観点で評価されます。

まとめ

普段何気なく食事をしている時に、お店のスタッフから掛けられた言葉に温かい気持ちになることがあるでしょう。特に難しい内容や気の利いた言葉でなくても、少しの気遣いが利用客に強烈な印象を残すことがあります。

このような小さな積み重ねが利用客からの大きな信頼につながり、お店のファンとも言えるリピーターになっていきます。

ミステリーショッパーの調査項目も、利用客目線に立って気持ちの良い接客ができているか、純粋に食事を楽しむことができる場であるかという観点で作成されています。

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